DIARY
7月になった
元日
自宅から初日の出を見て、安心して二度寝した。起きると妻が布団を干すと言った。朝、マンションのあちこちで布団を干して叩く音が聞こえたという。みんなきょうは気持ちよく眠りたいと考えているに違いないということだった。雑煮を作った。雑煮は毎年僕が作らせてもらっている。出汁とすこしの醤油と塩で味付けしたつゆに、大根人参鶏肉と別で茹でておいたほうれん草を加える。業務スーパーでかまぼこが安く買えたので添えた。関西から越してきたひとが「丸餅がどこにもない」と言っていた。調べると日本列島のほぼ真ん中に角餅と丸餅の分岐ラインというのがあり、故郷の静岡は角餅国の西部地方だった。京都に越したひとが「丸餅ばかりだ」と驚いていた。誰もがそういう細かなことを知ってよころべるような平和な日々が続くといいと思った。年末にがんばって作業して正月にホームページを公開しようと思ったが年末まで現像作業終わらず、叶わぬこととなった。せめてもの罪滅ぼしにこの日記を書いている。毎年元旦に、妻に抱負を聞かれる。今年は「ゆるめる」と「あせらない」だと伝えた。肩の力を抜いて、いい写真を撮りたい。
海に行った
海に行ったのはおとといのこと。2020年の夏にはじめて撮影のご依頼をいただき、その後、毎年夏に撮ることを約束した方の撮影だった。はじめの撮影はその方が暮らしていた街。上京して初めて暮らした思い出の街だけど、学業が忙しく、ゆっくりその街を見たことがなかったので、歩きながら街の中で撮って欲しいという依頼だった。去年は東京でずっと行ってみたかったという公園。今年は、独立して仕事場になったという部屋と、その場所の名前の由来になった海での撮影を希望してくださった。光にあふれた海より、落ち着いた雰囲気の海がいいということで、夕方を目指して由比ヶ浜に行った。昼まで雨が降っていたが、午後からは太陽が雲と交代した。夕方の光は例えようもなく美しく、その光のなかで撮ることができることは、何にも変え難い贅沢なことだと感じた。撮っている最中から、いい写真が撮れているという手応えがあった。海で撮って欲しいと依頼してくださったことも、その日天気に恵まれたことも、しあわせなことだった。
ようかんを食べた
きょうは一日、家で作業をしていた。さいきん妻が英語を熱心に勉強していて、質問されると答えたりする。家での昼ごはんはいつも業務スーパーで1玉20円で売っているうどんをレンジでチンして、あたたかいつゆをかけたり、冷やしてツルッと食べたりしている。でもきょうは気まぐれに買った1玉20円の蕎麦を食べてみた。味はそんなに良くない気がして、ボリュームもうどんのほうがずっとよい。今後はまたうどんを迷わず買うことになりそうだ。
撮影の際、お菓子などをいただくことがよくある。すでに対価をいただいて撮影しているのに、お土産までいただいてなんだか申し訳ない気持ちもありつつ、やはりとてもうれしい。みなさん「奥さんと召し上がってください」と言ってくれるので、大事に持ち帰って、ふたりでゆっくり食べられる時にいただいている。きょうは名古屋の羊羹をいただいた。白桃、甘夏、檸檬、パイナップル、スイカ、それぞれをイメージした色づかいで、実際にそれらの果実の味がする羊羹だった。とても涼やかでおいしく、ポンちゃんも「ハイカラだね」とよろんでいた。
ホームページをためしてみる
ひとまず、15日間おためしで使えるということで、ずっと欲しかったホームページをじぶんで作ってみた。ちょうど「encounter」というウェブサイトからコラムの執筆依頼があり、そこに載せる写真を何にするか悩んでいて、むかしローライフレックスで撮った写真で統一しようと思い、9枚を選んだ。その写真が気に入ったので、ホームページのトップでも使っている。デジタルカメラで工夫して撮れば撮るほど、やはりフィルムはいい、ということがわかる。写りがいい。しかし、フィルムは今めちゃくちゃに高い。ブローニーフィルム5本入りの箱が1万円を超える。そしてその1万円で60カットしか撮れない。でもフィルムがあるうちにフィルムで撮りたいという気持ちもとてもあり、すこしずつローライで撮ったりしている。
きょうは終戦記念日だった。戦争はほんとうに反対だ。平和を噛み締めながら死者を悼み、お盆で休みみたいなものだからと、昼からベランダでビールを飲んだ。こないだ長野で買った「安曇野浪漫」というビール。ホップの苦味をおいしいと感じるようになったのはいつからだろうと思った。